フジコさんからの教え
ニューヨークの北野ホテル
夕刻、ロビーのソファにオフクが座っていると
・・・その時のオフクは第一正装の
黒引きの衣装に、丸帯をやなぎに締めて
(江戸の芸者の帯の型)
少し緊張気味に座っておりました
といいますのも この後
ニューヨークチェルシー国際映画祭の
授賞式に出かけるところだったもので・・・
(映画ofukuがノミネートされていたもので)

そんなとき
ソファのお隣のご婦人が
私の黒引きの袖口を触り着物をじっくりとご覧になって
「素晴らしいお着物ね〜」と声を掛けてきました
私はよく着物や日本髪について
見知らぬ方から声を掛けられるので
充分に慣れてるのですが
この時は凄まじいオーラを放つ
ご婦人でしたので、ギクッとイナズマが
走ったのを覚えています
するとマネージャーらしき女性が
「フジコさん」と声を掛けてきたのです
こんな私でも 世界中で演奏会をされてる
ピアニスト フジコヘミングさんのことは知っております
これから映画祭に出かけるんですというと
「がんばってくださいね」と声を掛けてくださいました。
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なんと映画祭では主演女優賞を頂くことができました。
この一瞬の出会いから その後も日本にお帰りになる時には
お会いする機会に恵まれました

OFUKU映画も私の会社で全て製作していますとお話しすると
フジコさんが「日本のコンサートツアーのコマーシャルも撮ってよー」と
仰りほんとに製作させていただくご縁になりました
私がニューヨークで初めてお会いしたのは
2019年で88歳の時です
それでも3日に1度はホールコンサートをされている忙しさで
とても精力的な凄まじいエネルギーをいつも感じました
いつでも その日のコンサートでの演奏の出来具合を
ご自分で、周りに聞き、そして
「もっとできるの、もっとこう弾くべきだったのよ」と
振り返り悔しそうにされていたフジコさんの
飽くなき探究心にオフクは大きな刺激を受けました
いつまでも
いつまでも探求され
完璧を求めているピアニストで芸術家でいらした
フジコヘミングさんからオフクも
「ずっとずっといつまでも完璧を目指してやり続けなさい」と
教えていただいたと思っています
